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【末梢神経障害】正中神経麻痺(手根管・円回内筋)について

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末梢神経障害の1つである正中神経麻痺。 

 

正中神経麻痺は指先の痺れや手のひらの筋肉が痩せ細り、文字を書いたりすることが困難となります。

 

それでは、具体的に正中神経の働きや原因、 症状などについてみていきましょう。

 

正中神経の働き

正中神経の働きは大きく分けて4つあります。

 

1.

ドアノブを持って内側に捻る運動(前腕回内)

2.

手首や手指を曲げる(手関節・指節中手・指節間関節の屈曲)

3.

手のひらに対して親指を垂直に立てる運動(掌側外転)

4.

親指と小指を近づける運動(母指対立)

感覚神経は親指、人差し指、中指の全部。

さらに薬指の親指側半分の手のひら側を支配しています。

 

神経麻痺の原因

正中神経麻痺の原因は、開放創・挫傷(ケガ)・骨折などの外傷、 手根管症候群・円回内筋症候群の絞扼性神経障害、腫瘍・腫瘤・ 神経炎などにより生じます。

 

前骨間神経麻痺(正中神経の枝)の原因は、神経炎、転位の大きな上腕骨顆上骨折などの外傷、運動のしすぎによる円回内筋症候群の絞扼性神経障害で生じます。

 

神経症

正中神経の障害がどこで生じているかによって症状が異なります。

 

肘より上のレベル(上腕レベル)の外傷による傷害では麻痺の程度はさまざまですが、母指から環指母指側1/2までの掌側の感覚障害、手首の屈曲、手指の屈曲、さらに手部では母指の付け根の筋肉(母指球筋)の筋力が障害されます。

 

簡単に言うと、

正中神経の働き1.から4.が障害されます。

 

前腕から手首までの間の正中神経の傷害では手根管症候群と同様の症状(母指~環指1/2指の感覚障害と母指球筋障害)を呈します。

 

簡単に言うと、

正中神経の働き1.を除く2.から4.が障害されます。

 

前骨間神経麻痺では母指と示指の第1関節の屈曲ができなくなります。

皮膚の感覚障害はありません。

 

代表疾患

 

手根管症候群の病態

正中神経が手首にある手根管というトンネル内で圧迫された状態です。それに手首(手関節) の運動が加わって手根管症候群は生じます。

 

手根管については下記の屈筋支帯にまとめていますのでご覧ください。

 

手根管は手関節部にある手根骨と横手根靱帯(屈筋支帯)で囲まれた伸び縮みのできないトンネルで、その中を1本の正中神 経と指を動かす9本の腱が滑膜性の腱鞘を伴って走行しています。

 

手根管のトンネル内で圧迫されやすい理由がお分かりいただけただろうか?

 

手根管症候群は、妊娠・ 出産期や更年期の女性に一番多くみられるのです。

 

はっきりした原因もなく発症する特発性手根管症候群は、女性のホルモンの乱れによる滑膜性の腱鞘のむくみが原因と考えられています。

 

手根管の内圧が上がり、圧迫に弱い正中神経が扁平化して症状が出現します。

 

また、使いすぎの腱鞘炎やケガによるむくみなども同様に正中神経が圧迫されて手根管症候群を発症します。

 

円回内筋症候群の病態

スポーツ競技を行っている方に多いです。

特に、テニスやボーリング、野球など腕(上肢)を使う競技。

たとえばテニスでは、フォアハンドのときにスピンをかけようと強い力で手首を返し前腕を回内するため、円回内筋の起始部に負荷がかかります。

 

また、皆さんにも馴染みの深いボーリングでも起こります。

手首を返さずに力任せに真っ直ぐ手を振り上げて投球する人や、投球時に上肢を回外してから回内する人など手首を内側に返す動きをする人が特徴です。

 

さらには、小さなノートパソコンを使用することで発症することも。

手を使った作業を繰り返すような人たちにも起こりうる障害疾患なので注意が必要です。

 

治療

骨折や脱臼などの外傷や腫瘤によるものは早期に手術が必要です。

 

原因が明らかでないものや回復の可能性のあるものは保存的治療が行われます。

この場合、タイピングや針など手先を使う仕事を行っている方は動作制限することが大切です。

 

また、整形外科などで手首を固定するサポータを処方してもらい、仕事中や睡眠中に装着すると効果がある場合があります。

3ヵ月ほど様子を見て回復しないものや麻痺が進行するものでは手術が必要になります。

 

難治例には神経開放術という外科的処置を行います。

 

手術には、整形外科や脳神経外科などで手の外科を専門にしている医師に相談されることをお勧めします。

 

装具

装具療法を行うことで、手首の負担を軽減することもできます。

 

よく使われるのがこの2つです。

円回内筋症候群に対して長対立スプリント

手根管症候群対して短対立スプリント

 

【まとめ】

いかがでしたか?

 

私の親戚には、手根管症候群持つ女性がいます。

しかも両側。

 

細かい作業や絞り動作、捻る動作が出来ずに苦労しています。

 

現在は、手術をして少しずつ回復しています。

 

皆さんも手を大切にしてください。

 

気になったらすぐに相談に行きましょう。