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脊髄損傷の知識、残存レベル、分類は暗記せず、理解して覚えよう。

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脊髄損傷を起こしてしまうと、手足の痺れや運動障害、感覚障害、自律神経障害、換気障害など様々な症状が現れます。

 

国家試験でも多くの問題が出題されてますよね?

 

しっかりと理解して覚えていきましょう。

それでは、始めます。

脊髄ショック

脊髄ショック(spinal shock)とは、重度の脊髄損傷を負った際に脊髄反射が一過性に全て消失した状態のことをいう。

Wikipediaより引用

 

下記のような症状が初期に出現します。

  • 血圧低下
  • 頻脈
  • 呼吸数の増加
  • 冷汗
  • 便秘
  • 腱反射の低下
  • 弛緩性麻痺

 

脊髄ショックは、数日から数週間続くとされています。

 

神経因性膀胱

神経因性膀胱には、核上型核・核下型があります。

 

核上型とは、簡単に言うと、中枢レベルということです。

核上型になると、“自動膀胱”と言います。

自動膀胱になると、排尿反射は可能な為最後にトリガー(局所)ポイントを利用し、出し切ることが出来ます。

 

核・核下型は末梢レベルということです。

核・核下型になると、“自律膀胱”と言います。

自律膀胱になると、排尿反射が消失するため、下腹部全体をおして、尿を出す必要があります。

 

骨化性筋炎(異所性骨化)

異所性骨化は1~2カ月頃より認めることがあります。いわゆる、回復期の段階です。

 

急性期には、骨梁のはっきりしない骨新生の形成が見られるとか。

 

これは、模試で出てきた内容です。

 

好発部位は股関節が一番多いです。

筋や筋膜、腱、関節包などに起こります。

局所に熱感や腫脹を認めます。

 

生化学検査

異所性骨化初期に、血清アルカリフォスファターゼの上昇を認めます。

 

ブラウン・セカール症候群

ブラウン・セカール症候群とは、脊髄の左右どちらか半分が損傷した状態を表します。

 

症状としては、

  • 障害側の痙性麻痺により腱反射の亢進・病的反射の出現
  • 障害側の触覚・深部感覚障害(後索内側毛帯路系)
  • 障害側と反対側の温痛覚障害(外側脊髄視床路)

 

中心性頚髄損傷(脊髄空洞症)

中心性頚髄損傷は、後縦靭帯硬化症を伴い、頸椎の過伸展による損傷にてなることが多いです。特に、高齢者の転倒です。

 

症状としては、感覚障害よりも運動障害が重度であることが多いです。

また、運動障害でも、下肢より上肢に障害が強くでます。

 

なぜか?

 

脊髄は、中心に近い方に上肢をつかさどる神経が存在し、外側に行くほど、体幹・下肢となります。

よって、上肢の損傷が強く出てしまうのです。

 

また、感覚障害で一番出るのは、温痛覚障害です。

温痛覚は外側精髄視床路で、脊髄で交叉するため、両側に認めます。これを、温痛覚解離と言います。

 

自律神経化過反射

徴候

  •  高血圧(200mmHg/100mmHg以上)
  • ガンガンする頭痛、顔面紅潮
  • 損傷レベルより上部での発汗
  • 鼻詰まり、吐き気
  • 脈拍数60以下の徐脈
  • 損傷より下部の鳥肌

 

原因

  • ひどい便秘
  • 感染
  • 膀胱の充満(カテーテルに栓がされている)あるいは捻じれている
  • 褥瘡
  • 外傷による苦痛
  • 温かい(冷たい)温度
  • 日焼け
  • きつい衣服
  • 睾丸または陰茎への圧迫
  • 激しい生理痛、陣痛
  • 胃潰瘍(大腸炎、腹膜炎)
  • 薬剤
  • 骨折
  • 内生爪

 

対処法

  • 膀胱に問題が無いか調べる
  • カテーテルの排出口を持ち上げゆっくりと膀胱を空にする

  ※速度が速いと痙性を引き起こし、再び血圧上昇することがあります。

  • 血圧を調べる
  • 便が溜まっていないかチェック
  • 褥瘡予防
  • 足の巻き爪

 

残存レベルによってできる日常動作

おおよそしか書いていませんのでご了承ください。

 

第2~3頚髄レベル残存

 

第4頚髄レベル残存

 

拘縮:肩甲骨挙上

 

第5頚髄レベル残存

  • 平地は車椅子
  • 自助具(カフ)を用いて、食事、パソコン操作、歯磨き可能
  • 電動タイプライター
  • リフター

 

拘縮:肩関節外転、肩甲骨挙上、肘関節屈曲

 

第6頚髄レベル残存

  • ベッド上寝返り
  • 上半身更衣
  • 自動車運転可
  • 長便座の移動
  • テノデーシススプリント

 

拘縮:肩関節外転・外旋、肘関節屈曲、手関節背屈、手指屈曲

 

第7頚髄レベル残存

  • 床上・移乗動作自立
  • 更衣動作自立
  • 自動車への車椅子積み込み

 

拘縮:中手指節間関節の過伸展

 

第8頚髄・第1胸髄レベル残存

  • 車椅子上ADL自立
  • 高床浴槽への出入り

 

第6胸髄レベル残存

  • 体幹前後屈
  • 骨盤帯付き長下肢装具と松葉杖の使用
  • 平行棒内歩行

 

第12胸髄レベル残存

  • 長下肢装具
  • 松葉杖

 

Zancolliの分類

残存レベル

機能筋肉

第5頚髄残存

上腕二頭筋、上腕筋、腕橈骨筋

第6頚髄残存

B1

長短撓側手根伸筋

B2

円回内筋 ※1

B3

上腕三頭筋、撓側手根屈筋

第7頚髄残存

総指伸筋、小指伸筋、尺側手根伸筋

第8頚髄残存

深指屈筋、示指伸筋、長母指伸筋、尺側手根屈筋

※1:浅指屈筋の機能あり

 

呼吸理学療法

  • 体位交換
  • 胸郭の徒手的振動(タッピング)
  • 胸郭の圧迫
  • 横隔膜の筋力増強