メディカルパパ〜医療・看護学生や新人向け〜

医療・看護学生や新人向けに解剖・生理学から疾患別まで幅広く情報を提供していきます。また、健康に関する情報も発信しています。

【筋原性疾患】多種型・筋ジストロフィーの症状やステージ経過

 

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デュシェンヌ型筋ジストロフィー

特徴

認知機能:良好

好発年齢:3~5歳

男女差:男性にのみ発症

 

遺伝:伴性劣性遺伝

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DNAの染色体は、23対46本あります。

そのうち22対44本は体の情報、残り1対2本は、男女の性別の情報となります。

よってXYとなれば男の子が、XXとなれば女の子が誕生します。

 

※X染色体の遺伝変異であるため、Y染色体は保因することがありません。間違えないようにしましょう。

 

筋萎縮部位と症状

       →脊柱変形を生じやすい

 

  • 腰帯筋

大腿四頭筋・大殿筋

→登攀性起立(ガワース徴候)

 

②中殿筋

→トレンデレンブルグ歩行

 

  • 肩甲帯周囲筋

       →翼状肩甲

 

       →仮性肥大(脂肪組織の浸潤)

 

※仮性肥大がみられるのはデュシェンヌ型筋ジストロフィーが主

 

短縮・拘縮を起こす筋肉

 

※最初に短縮を起こすのは、大腿筋膜張筋、ハムストリングス、下腿三頭筋があります。

こられの短縮によりアヒル様歩行がみられます。

 

ステージ経過・特徴

 ステージⅠ

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  • 3~4歳で転倒や走り方に違和感があるのが初発症状
  • 歩行可能
  • 階段昇降可能(手すり不要)

 

ステージⅡ

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  • 小学校低学年に多くみられる
  • 階段昇降可能(手すり必要)

 

※片手手すりもしくは両手手すり

 

ステージⅢ

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  • 小学校3年生頃に多く見られる
  • 登攀性起立(ガワース徴候)がみられるのはこの時期まで

       →原因は大腿四頭筋・大殿筋の筋力低下

  • 通常の椅子からの起立可能
  • 上肢のMMT徒手筋力検査)は4程度

 

ステージⅣ

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  • 9~10歳頃
  • 歩行は何とか可能

     (独歩で5m以上。支持して歩行可能)

  • 椅子からの起立不可能となる
  • 車椅子操作の練習を始める
  • バネ付き長下肢装具の使用

 

※バネ付き長下肢装具の特徴と使用時の注意

①足関節90度後方制動

②膝関節屈曲25度制動

③重心は足部中央

④装具装着時間は、6~8時間とする

⑤連続歩行は20分以内とする

  (心臓への負担を考慮)

 

ステージⅤ

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  • 独立歩行不可能
  • 四つ這い移動可能
  • 肩関節周囲筋群の障害

 

ステージⅥ

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※食事は最後まで自立して行えます。

 

※ステージⅤ・Ⅵ、車椅子の処方について

①アルミ合金のパイプ使用:車体を軽くする

②背もたれにパットを取り付ける:体幹の変形を防止する

フットレストを着脱式にする:移乗の際に隙間を作らないため

④介護者用ブレーキを取り付ける:介護者の負担を軽減するため

 

【重要事項】

手指の筋力は比較的温存されているため、ハンドリムにノブを付ける必要はありません。

 

ステージⅦ

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  • ずり這い不可能
  • (自力)座位保持は可能
  • 手指動作(食事・書字)以外は全介助
  • 肥満傾向になる
  • キーボードでコミュニケーションをとる

 

ステージⅧ

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  • 約20歳頃
  • 常時寝たきり状態
  • 呼吸管理必要
  • 臥位姿勢は、骨盤後傾位、膝関節屈曲拘縮がみられる

 

※早期から側弯装具付歩行や松葉杖歩行は禁忌。

  →代償による歩行が困難となり、転倒の危険性高くなります。

しかし、夜間の側弯装具の使用は可能です。

 

※漸増抵抗運動や機能的電気刺激は禁忌。

 

顔面・肩甲・上腕型筋ジストロフィー

好発年齢:10~20歳代

男女差:なし

遺伝性:常染色体優性遺伝

筋萎縮:顔面筋(ミオパシー顔貌)、肩甲帯周囲筋(翼状肩甲)、上腕筋

 

※ミオパシー顔貌

筋原生萎縮により目や口が閉じれないことをいいます。

 

肢帯型筋ジストロフィー

好発年齢:10~20歳代

男女差:なし

遺伝性:常染色体劣性遺伝

筋萎縮:四肢近位部(上肢帯・骨盤帯)

 

強直型ジストロフィー

好発年齢:0~40歳

男女差:男性に多い

認知機能:障がいを認める

特徴:

  • 斧状顔貌
  • 嚥下障害
  • 先天性内反足
  • 成人型下垂足

 

先天性筋ジストロフィー

好発年齢:0~8カ月

男女差:なし

遺伝性:常染色体劣性遺伝

筋萎縮:全身性(フロッピーインファント)

認知機能:精神遅滞を認める

特徴:把持ミオトニアを認める

 

※フロッピーインファント(意味:だらりとした幼児)

→出生時の筋緊張が低下し、グニャグニャ感があることを総称して呼びます。

 

その他にフロッピーインファントで疑われる疾患

  • 脳性マヒ
  • ウェルドニッヒ・ホフマン病
  • ミトコンドリア・ミオパチー
  • 重症筋無力症
  • 先天性良性筋緊張低下症

 

※把持ミオトニア

手を強く握ると直ぐに開けないことをいいます。

 

精神遅滞を認めるのは他に、

福山型(先天型)ジストロフィーや三好型(遠位型)ジストロフィーも伴います。

 

ベッカー型筋ジストロフィー

好発年齢:5~45歳

遺伝性:伴性劣性遺伝

 

Emery-Dreifuss筋ジストロフィー

好発年齢:4~5歳

遺伝性:伴性劣勢遺伝

筋萎縮:上肢は近位、下肢は遠位にみられる

 

【まとめ】

いかがだったでしょうか。

皆さんが知らない疾患はたくさんあります。

興味を持つことが大切です。

 

映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」が公開されています。

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公式サイト→ http://bananakayo.jp/

実話の話です。是非観てみて下さい。

 

 

※ところどころ画像に不備があり申し訳ありません。