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パーキンソン病の基礎知識‐病態生理・症状・分類等‐

投稿日:2019年1月30日

更新日:2019年10月6日

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パーキンソン病ってご存知ですか?

病態生理

健常時、身体を動かそう!と考えた場合

 

大脳皮質から大脳基底核線条体へ入力され、淡蒼球内節を介して随意運動がスムーズに行えています。

 

このとき、中脳黒質からドーパミンがでて線条体に対して調節するよう働きかけているため淡蒼球内節のブレーキをほどよく抑制できています。

 

線条体は、淡蒼球内節のブレーキをほどよく抑制する役割

 

淡蒼球内節は、随意運動に対して強くブレーキをかける役割

 

 

パーキンソン病を患った方が、身体を動かそう!と考えた場合

 

中脳黒質からのドーパミンが欠乏することで、線条体淡蒼球内節のブレーキをほどよく抑制することができず、随意運動に対して強くブレーキをかけたままとなります。

 

動かそうとする意識ははっきりあっても運動をしないで!と脳からのブレーキが動きを抑制してしまいます。

 

4大徴候

  • 振戦
  • 固縮
  • 無動
  • 姿勢反射障害

 

振戦

初発症状として見られることが多い

安静時丸薬まるめ運動が無意識に起こるのが特徴(左右差あり)

 

固縮

  • 鉛管様現象

(関節を他動的に動かそうとすると抵抗を認める)

  • 歯車用現象

(関節を他動的に動かそうとすると歯車が噛み合うようにカクカクとした抵抗を認める)

 

※振戦と固縮は薬の効果が出やすいので症状としては見られにくいこともあります。

 

無動

  • 小刻み歩行・すくみ足歩行
  • 仮面様顔貌

 

姿勢反射障害

  • 突進現象
  • 彫像現象

(立位姿勢時に、外力が加わると姿勢が保てないこと)

 

※無動・姿勢反射障害は、薬の効果が出にくいので症状としては見られやすいです。

 

+α徴候3つ

自律神経障害(交感神経優位)

青斑核障害によるもの

 

障害4つ

脂漏(しろう)性顔貌

  • 顔が油っぽく、目ヤニが出やすい
  • 体表の分泌物が多くなる

 

起立性低血圧

 

神経因性膀胱

健常者では、膀胱で尿が充満してくると大脳に信号が送られ尿意を感じます。

それに対して、パーキンソン病を患うと大脳に信号を送る神経が阻害され、排尿障害を起こすことがあります。

 

便秘

便秘になると食欲も低下傾向になり、体重の低下を伴いますので注意しましょう。

 

精神症状

主に3つ

 

マイヤーソン徴候

眉間を何度叩打しても瞬目が起きることをいいます。(=眼輪筋反射の亢進)

 

※健常者では、何度も叩打していると慣れが生じ、瞬目が収まってきます。

 

Hoehn-Yahr分類

Stage

状態

一側性

両側性

姿勢反射障害、突進現象

日常生活動作や仕事は可能

日常生活動作の低下、体の移動・立ち振る舞い・着物の脱着・洗面・排便などにかなりの支障を来たす。

※かろうじて歩行可能

寝たきり、全介助

 

パーキンソン病は、N型もしくは逆N型に進行していきます。

 

UPDRS

Unified Parkinson’s Disease Rating Scale;以下UPDRS

 

良い時間と悪い時間の2回測定を行います。

 

4つの側面

 

薬剤の長期投与と副作用

代表的な薬剤(国家試験レベル)

 

薬剤投与によって起こる現象

  • On-off現象(内服時間と関係なく症状が良くなったり、悪くなったりすること)
  • Wearigng off現象(効果持続時間が短いこと)
  • No-on現象(服用しても効果が得られない状態)
  • Delayed-on現象(効果が現れるまで時間を要する)
  • ジスキネジア(薬が効きすぎて意思に反して手足が勝手に動くこと)

 

 

長期薬剤投与を突然やめると悪性症候群になる可能性があります。

 

悪性症候群が進行すると以下の3つが起こりやすいです。

  1. 播種性血管内凝固症候群(DIC)
  2. 腎不全
  3. ミオグロビン尿(赤い尿が出る)

 

播種性血管内凝固症候群

全身血管内に持続性の著しい凝固活性化が起こり、微小血栓が多発し進行すると微小循環障害による臓器機能不全を来たします。

また、凝固因子・血小板が使い果たされ、怪我をすると出血が止まりにくくなります。

 

Hoehn-Yahr分類に沿った理学療法

分類Ⅰ〜Ⅱ

  • トレッドミル歩行
  • 歩隔は狭く
  • 姿勢矯正運動
  • バランス運動
  • パーキンソン体操

 

トレッドミル歩行はエビデンスが高い!

歩行速度や歩幅の改善、歩行距離、すくみ足に効果あり。

 

歩隔は狭く

歩隔が広くなると、踏み出しと反対側の支持脚に重心を移動しにくくなるため、かえって脚を踏み出しにくくなります。

 

姿勢矯正運動

  1. 鏡を用いて左右の対称性を促す
  2. ボールを用いて脊椎の伸展を促す
  3. 棒を用いての脊椎伸展を促す
  4. ポールを用いて脊椎の伸展を促す

※頸椎の伸展はNGです!

 

分類Ⅲ(運動機能維持期)

  • パーキンソン体操
  • 拘縮予防に対して関節可動域訓練
  • 伸張運動
  • 姿勢矯正運動
  • 拘束性換気障害予防
  • バランス運動
  • 方向転換
  • 日常生活動作指導

 

分類Ⅳ(日常生活動作維持期、環境・社会資源利用の時期)

  • 分類Ⅲと基本同じ
  • 嚥下障害に対して食事や嚥下の工夫
  • うつ傾向に対して社会との繋がりを持ち続けましょう
  • 自助具の利用