今回は、理学療法士国家試験を効率よくするノウハウを教えていきます。
私が受けた国家試験は第51回です。このとき理学療法士国家試験を合格された方は74.1%(うち新卒82.0%)でした。
約5人に1人は落ちるという計算になります。
そんな合格率の中、私は第51回を受け、新卒で200/274点を出しました。
この年の合格点は165点(本来は280点の6割合格である168点ですが、不適切問題により合格点が異なります)で問題なく超えれました。
ここまで取ると合格は間違いなく、当時はホッとした自分がいました。
これだけの点を叩き出すことができたノウハウを教えていきます。
勉強にいい時間帯とその内容
まず、国家試験勉強は詰め込み作業と思われるかもしれませんが、そうではありません。
普段の中間テストや期末テストは暗記可能です。
しかし、国家試験勉強は一般問題、実地問題があり、広く、深く勉強していく必要があります。
広く、深く勉強するためには、長時間の勉強が必要か?というとそうではありません。
逆に効率は悪くなります。
効率良い勉強をするには、勉強に適した時間と勉強内容が存在します。
- 朝6時から10時
脳が最も働く黄金時間。
問題を解くことに向いている時間帯です。
簡単な問題を解き、寝起きの脳をウォーミングアップさせることから始め、苦手な問題や得意科目の難題を解きましょう。
- 昼11時から13時
食後は眠気が出てくるので勉強に不向きな時間帯です。
ですが、この時間に勉強するのであれば、ただ読むだけの勉強や集中力が必要となる勉強は避け、語呂合わせを覚えましょう。
または、20分睡眠を取ると2時間分の睡眠が取れ脳がスッキリし、午後から集中力が増大します。
20分以上の睡眠は頭の回転が悪くなり、逆効果となりますので注意しましょう。
- 昼過ぎ14時から17時
食後の眠気がなくなり、また脳が働き出す2回目の黄金時間です。
この時間には、頭を使う勉強がオススメです。
朝と同様に苦手な問題や得意分野の難題を解きましょう。
- 夕方18時から19時
朝から勉強していると、夕方のこの時間には脳が疲れてきます。
無理して勉強せず休憩することをオススメします。
一旦外に出て散歩や軽い運動をして脳を休めることも大切です。
- 夜20時から21時
夕食後の眠気を起こさないためにも、食事中はテレビを見て刺激を与えましょう。
そして、食後の勉強には暗記系の勉強がオススメです。
寝る直前に覚えたことは、脳に記憶してもらいやすいので勉強後はすぐ寝ましょう。
ここで注意事項です。
国家試験を受ける上では、問題だけを解いていてはダメです。
よく、10年分の問題を解けば大丈夫、かというとそうではありません。
それで大丈夫だったという方は、その年は問題が簡単だったのでしょうか?
問題を解いたらまとめるなど工夫が人それぞれで必要となります。
ちなみに、私がやっていた勉強法はマインドマップを使って行っていました。
これは下記で説明しますので、お楽しみに。
集中力促進方法
勉強をしていると眠気はないけど集中力がなかなか続かないというときがあると思います。
集中力を高める方法は様々ありますが、その中でも気軽に取り入れることができ、効率的に集中力を高める方法をいくつかご紹介します。
- ガム
(眠気に効くミントがオススメ)
スポーツ選手には特に多く見られるこの方法は、ガムを噛むことで脳が活性化し集中力が高まると言われています。
- カフェイン
(コーヒー・紅茶・ココア)
カフェインは脳を覚醒させ、眠気を吹き飛ばすとともに、集中力を高める効果もあります。
しかし、睡眠の質が下がってしまうので、就寝5時間前は避けましょう。
- アロマ
(レモン・ローズマリー・ペパーミント)
アロマは鼻から香りを吸い込むことで、脳へアロマの成分が働きかけるので、集中力を高める効果があり有効です。
水を入れたカップに精油を数滴落とし、机などに置くだけでも効果はあるので、試してみてはいかがでしょうか?
しかし、注意が必要です。
自分に合ったアロマでも、他の人を不愉快にさせ、集中力を低下させることもあります。
家庭の自主学習で使用するよう心掛けましょう。
1日・1週間のスケジュールを決める
スケジュール?必要あるの?と思われるかもしれません。
スケジュールはあくまで目標として達成する課題です。
スケジュールを組むことで、自分は1日どれくらい勉強が進んでいるのか、1週間ではどうなのかが見えてきます。
見えてきた中で、次の1週間はもう少し取り組みを増やしても大丈夫、としてみたり、少しやり過ぎて疲れるから減らそう、としたりして自分の勉強ペースを作るのです。
ですが、グループワークでは、そうはいきませんよね?
国家試験勉強となると、個人で行うより複数で行う方が良いと私も思います。
ただ、個人の考え方には差があります。
自分でやった方がスピードも早く、黙々とやれる派や、複数でやって他の人の意見を聞きながら刺激を受けたい派、何やっていいかわからない派など多数です。
そこで頑張っていただきたいのがグループのリーダーです。
リーダーが責任を感じて全て調べて説明する必要はありません。
むしろしてはいけません。
それでは、リーダーが一人で勉強しているのと同じことなのです。
それよりも、リーダーがグループひとりひとりに『骨の構造について調べてきて』、『長管骨や短骨の違いについて調べてきて』などと割り振りをグループの仲間に振り分けましょう。
こうすることで、グループの仲間はそれについて調べるために教科書を開き調べる効率を上げ、説明させることでアウトプットになりどうしたら相手に伝えやすいかを考え始めるのです。
これは社会に出ても同じこと。
グループ全体でやることで達成感があり、ひとりひとりに分け与えられることで信頼関係も生まれてくるのです。
ですが、そう甘くないとおっしゃる方も中にはいるでしょう。
誰でも失敗は当たり前です。
それをどう克服するかが大切です。
諦めないことが、国家試験を合格する鍵であり、社会に出て通用する人材になります。
しっかり励みましょう。
ちなみにまで私が行っていたスケジュールをご紹介しておきます。
月曜日
朝は7:30に学校へ
グループが揃うまでは問題を解いたり、マインドマップをまとめたり、ツイッターをみて国家試験の情報収集など
午前の部
午前中1回目のグループワークでマインドマップの説明(1コマ=90分前後)
キリがいいところで30分程度の休憩
午前中2回目のグループワークでマインドマップの説明
お昼ご飯を食べ20分仮眠➕語呂合わせやツイッターで国家試験の情報収集
午後の部
午後3回目のグループワークでマインドマップの説明
キリがいいところで30分程度の休憩
午後4回目のグループワークでマインドマップの説明
18時頃帰宅
ご飯とお風呂を済ませて、
その日にやったマインドマップの清書および
次の日に使うマインドマップを作成し就寝。
火曜日
朝は7:30に学校へ
グループが揃うまでは問題を解いたり、マインドマップをまとめたり、ツイッターをみて国家試験の情報収集など
午前の部
午前中1回目のグループワークでマインドマップの説明(1コマ=90分前後)
キリがいいところで30分程度の休憩
午前中2回目のグループワークでマインドマップの説明
お昼ご飯を食べ20分仮眠➕語呂合わせやツイッターで国家試験の情報収集
午後の部
午後3回目のグループワークでマインドマップの説明
キリがいいところで30分程度の休憩
午後4回目のグループワークでマインドマップの説明
18時頃帰宅
ご飯とお風呂を済ませて、
その日にやったマインドマップの清書および
次の日に使うマインドマップを作成し就寝。
水曜日・ 木曜日 ・金曜日
以下、同様
土曜日
同様または、息抜き(マインドマップの清書が間に合ってなければ実施)
日曜日
息抜き(マインドマップの清書が間に合ってなければ実施)
この様に毎日マインドマップ、マインドマップ、マインドマップ...しかやってませんでした。
実際に私がマインドマップをどのように作成し、利用したかについては最後の『私が独自でやったのはマインドマップ』のテーマでお話ししますのでまだまだお楽しみに。
参考書は必要ない
私個人的の意見ですので、参考程度に読んでください。
私は、国家試験を受けるにあたって参考書を買ったことはありません。
むしろ、不要だと思います。
当時、国家試験を勉強していると、周りの友達は参考書を必ずと言っていいほど持っている人が多かったです。
友達の参考書を見た感想としては、問題に対しての解説はあるもののそこまで。
知識はある程度は広がりますが、疑問を持つ機会が減ります。参考書に疑問を持つことはめったにありませんよね?しっかりとした回答だから。
これでは、『なぜ?』が減ってしまいます。
この『なぜ?』が減ることこそ国家試験勉強にあってはならないことです。
臨床にでても同じことです。
臨床現場では、常に『なぜ?』と疑問が飛び交うのが普通です。
『なぜ?』を感じないということは、100人の患者さんが来たら同じことを1つだけ続ける人です。
そんなあなたにはなって欲しくありません。
胸に手を当てて考えましょう。
試験を受ける時に必ずやること
試験を受ける時にやっていることはありますか?
私がやった2つのことをご紹介します。
1.問題文に下線を引く➕重要な言葉を丸で囲む
問題が出たら文全てに下線を引いても構いません。
下線を引くことで見落としが激減します。
また、1つ選べや2つ選べで間違えることも多々あります。
こちらもかなり見落としが激減します。
国家試験を勉強するにあたって模試を行うと思います。
この時から当たり前のように取り入れましょう。
やった人だけにわかり得する話です。
2.問題を解き終わって見直す時に回答用紙にチェックを入れる
まずは問題用紙に回答していきましょう。
問題用紙に答えとして正しいものには、1〜5の選択肢を丸(◯)で囲み、問題番号にも丸(◯)をつけましょう。
こうすることで見直しをするとき、『これは必ずあっているから間違いないんだ』と確認する時間が短縮されます。
つぎに、問題を解くと『1つ選べ』だけど選択肢1〜5の中に2つ迷ってる、となることがよくあります。
この場合は、どちらか1つの選択肢を丸(◯)で囲み、問題番号には三角(△)とつけましょう。
こうすることで、見直すとき、『これどっちがいいんだっけなー』と2択だけを集中して考えることができます。
ここまでくればあと残っているのはバツ(✖️)です。これは、問題番号にバツ(✖️)と書き、つぎに進んでください。時間がもったいない。
全ての問題を解き終え、丸(◯)、三角(△)、バツ(✖️)が付いたら必ずやってほしいテクニックをご紹介しましょう。
それは、10問区切りでチェックシートに記入していく方法です。
では、やり方をご説明します。
仮に1〜10問の中で丸(◯)が6つあったとしたら、それをチェックシートに記入します。
あと残るは三角(△)とバツ(✖️)。
先程、チェックシートに記入した丸(◯)の選択肢番号が1〜3に偏っていたらどうでしょうか?
残りの4問で選択肢番号が4または5になりそうな問題番号の答えがないか探してみましょう。
こんな風に探す人はそういないのではないでしょうか?
もっとわかりやすく説明すると、
問題1➡︎◯、答え2
問題2➡︎◯、答え2
問題3➡︎△、答え2か5
問題4➡︎◯、答え2
このようになっていた場合、問題1から4まで答えが2になる確率はかなり低いです。
多くて3つ連続同じ答えはありますが、4つや5つ連続はそうありません。
このようにして、三角(△)の正答率を上げることが可能となるわけです。
お分かりいただけたでしょうか?
私が独自でやったのはマインドマップ
さて、マインドマップのご説明に入らせていただきましょう。
私が作ったノートはこの5冊。
1冊50ページが5冊です。
このたった250ページを使って国家試験対策を作り上げました。
多いかどうかの判断はお任せします。
これを作れば自作の教科書が出来ます。
押さえるポイントは3つ。
1.下書きをして説明する
まずは鉛筆でA4用紙に下書きをし、書いていきます。
例えば、糖尿病をマインドマップで作る場合を説明します。
糖尿病には、分類や合併症、運動療法などに分けて書いていく必要があります。
これをどの配置にどうまとめるかを下書きしていきます。
2.清書をする
下書きしたのをグループワークで使用し、付け足したり書き直したりすることがあります。
完成した下書きを今度は、ボールペンでノートに清書していきます。
この時、自分でブツブツ説明しながら清書すると2度おいしいです。
3.清書したものを色ペンや色鉛筆でなぞる
清書したら、色分けをして見やすくしましょう。
この色分けをするときもブツブツ説明しながらやると3度おいしいです。
下書き➡︎清書➡︎色分けを行うことで3回目以上のインプットが行えるわけです。
実際に私が作った糖尿病のマインドマップがこちら。
このようになりました。
では、なぜマインドマップが良いのか?
それは、完成したノートに付け足しができる点です。
色分けしたところに付け足したり、空いているところに付け足したりと作業がやりやすいのが1番のポイントであり、使いやすい方法なのです。
このノートがあれば、試験中でも、糖尿病のページの何色に分けたどこどこのことを問題で聞いているなとなります。
このノートが私にあれば、国家試験を1カ月で受け直すことも可能だと思っています。
【まとめ】
いかがでしたでしょうか?
日中の勉強する時間帯や集中力を高める方法、スケジュール、参考書、マインドマップなど参考になったでしょうか?
1人でも多くの力になれると嬉しいです。
国家試験合格を目指す方、頑張ってください。
応援しています。